製法

テレジアンタールでは創立より、ガラス生地製作、カット、エングレーヴィング、絵付など全ての工程を高度な技術と豊富な経験を持った熟練の職人たちが手作業で行っています。最も技術が必要な宙吹き成型、垂直にまわる回転盤に対してフリーハンドで行われるエングレーヴィング、ガラス生地全体あるいは一部に、異なる色のガラスを被せかける色被せなど、高度な手腕が問われるような技術を駆使しながら、極めて優雅なガラス製品を作り続けています。つまり、一点一点が、こうした才能にあふれた職人たちが作りあげた卓越した作品であるために、洗練されたお客様たちから賞賛を得ているのです。また、木灰を精錬して産出した酸化カリウムを用いて作られるガラスであるカリガラスは、クリスタルに匹敵する透明度を持ち、大変軽く、実用的です。

材質:カリガラス

木灰を精錬し産出した酸化カリウムを用いて作られるカリガラスはクリスタル(鉛)ガラスよりも硬く、加工が困難なため、製作に手間と費用がかかります。しかし、エングレーヴィング(彫刻)を施す際には、その硬さから繰り返しグラインダーを当てることができ、彫りの深さを微調節できるので、極めて複雑なモチーフを表現することができます。また、カリガラスには不純物である鉄の発色を抑える成分が入っているため、発色が良く、色が非常に美しいという特長もあります。

ハンドメイド

テレジアンタールでは、高度な技術と豊富な経験を持った成形職人、カット職人、グラヴィーラー、絵付師などガラスの分野の卓越した職人達が1836年より働いています。こうした職人の多くは、テレジアンタールで何十年も、時には四代にも五代にもわたって働いています。

テレジアンタールのグラスウェアは、このように伝統と技術を受け継ぎながら、すべて今日まで手作りで作られています。


商品の原型となる木型
グラスウェアを製造するには、木型を制作するところから始まります。制作は、木型専門の職人が担当します。カップの部分を成型するには、型吹きという技法が用いられ、液体状のガラス種を木型に入れ、息を吹き込み、形作られます。ステムの部分には、溶かした細いガラスを使い、固まる前にカップに接着させます。さらに手作業で装飾が行われるグラスウェアもあります。デザインによってカットやエングレーヴィング、絵付が施され、最終的にはすべて手によって磨かれます。


木型を作成するワークベンチ
グラスウェアの制作は、全行程テレジアンタール社内で行われています。一貫した生産体制によって、高度な品質が保証でき、タイムリーなデリバリーを実現しています。

ガラスの製造工程

テレジアンタールのグラスウェアは、宙吹きによる成形、カット、エングレーヴィング、絵付にいたるまで、全て職人の手によって制作されています。詳しい製造工程は、動画でご覧いただけます。熟練の職人たちが手作業でひとつの作品を作り上げる様子をお楽しみください。

ブナを削り木型を作る
ブナを削り木型を作る
赤々と燃えるガラス生地を流し込むため、ブナの木で木型を作ります。木型は作品の仕上がりを予想してまず紙で見本が作られ、その見本通りに、アウトラインに沿って作られます。木型を削る際は、ミリメーター単位で調整されます。一つの原型で約300ピースの製作が可能ですが、それ以後は、型が磨耗してしまうため、新たに作り直さなければなりません。


ガラスの原料を窯に入れる
ガラスの原料を窯に入れる
基本材料である、珪砂、ソーダ灰、酸化カリウム、石灰の混合物を窯に入れ、1470度でゆっくり溶解します。生地がドロドロになるまでほぼ一日かかります。少しの温度差が生じてもガラスの品質に影響を与えるので、窯の火は24時間一定の温度で保たれます。テレジアンタールでは、毎晩火の番がおかれています。


木型に液体状のガラス種を入れる成型作業
吹竿で成形する
窯の中でドロドロに溶けたガラス種を、吹竿と呼ぶパイプに捲き取ります。空中で吹竿をまわしながら成形する宙吹きや、そのガラス種を木型に吹き込んで成型する型吹きなどの技法があります。


熱したガラスを融着させ、ガラスの脚を作る

熱したガラスを融着させ、持ち手を作る

フリーハンドでの各作業
カット、エングレーヴィングは、垂直にまわる回転盤に対して、一部で高さなどをそろえるためにマーキングはされますが、それ以外はフリーハンドで行われます。エングレーヴィングは、直線的なカットに比べ、非常に細かい部分まで表現できるため、芸術性の高い作品を作ることができます。下描きは全体のバランスを整えるためだけに行い、後はフリーハンドで絵付されます。コンコルドシリーズの華やかな金彩を施す作業も、熟練の職人によってフリーハンドで行われます。


垂直に回る回転盤にガラスを押し当て、
フリーハンドでカットをする

様々な種類のホイルを使い、ガラス表面に
フリーハンドでエングレーヴィング(表面彫刻)をする


フリーハンドの絵付

筆で金彩を施す

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